PickUps! ATD ICE 2015
目次
ピックアップキーワード
モバイルラーニング
ソーシャルラーニング
マルチデバイスラーニング
マイクロラーニング
自己組織化学習
今年度注目の概念
オープンングでCEOがピックアップした書籍
書籍のタイトルから、今年度注目のキーワードが見て取れます。今年度の主要なキーワードは、モバイルラーニングとソーシャルラーニングです。オープニングでのCEOの印象的な言葉の一つ、「電話やメールは前時代のツール、今はモバイルやソーシャルなしでは考えられない」からもわかるように、これから中心となるような世代は、複数のモバイル端末を使いこなし、Lineなどで連絡を取り、TwitterやFacebookで互いに知識や情報を共有しています。ATD IDE 2015ではこれらのキーワードに関するセッションが多く見られました。
モバイルラーニング
モバイルラーニングはスマートフォンなどのモバイル端末を利用したイーラーニングの手法です。モバイルラーニングの特徴はいつでもどこでも学べることです。
ソーシャルラーニング
ソーシャルラーニングは伝統的な一方通行の教育とは異なる、知識の相互補完的な学習の形態です。
マルチデバイスラーニング
マルチデバイスラーニングについてもここで触れておきます。今や個人は様々なモバイル端末を使いこなしています。モバイルラーニングで重要な要素の一つは、レスポンシブであるという事です。
分割されたコンテンツ
マイクロラーニング
マイクロラーニングは5分や10分程度の短いコンテンツを使用した学習を指します。伝統的な学習コンテンツは時間をかけて作られた大きなサイズのもので、非常に情報量の大きなものでした。十分な知識を得られる一方、これらは学習者に相当な労力を要求します。昔に比べ、必要な情報量が多くなった現代では、必要な情報全てを学習するのは困難になってきました。また、コンピューターが発達している現代では、個人が情報を多く持っている事の価値は薄れてきています。今重要な事は、必要な時に必要な事を学習し、必要な時に必要な情報を得られる事です。そのために、伝統的な学習コンテンツはスマホで気軽に見られる程度に分割される必要があります。
ATD ICE では、講演と並行して様々な企業の展示会が開催されます。展示会の中でもマイクロラーニングを活用した例がいくつか見られました。そのなかの一つとして「grovo」があります。
興味のある方はウェブサイトでご確認ください。http://www.grovo.com
スガタ・ミトラ氏から学ぶこれからの学習
自己組織化学習
スガタ・ミトラ氏はインドのスラム街にパソコンを設置する実験で、インターネットに接続する環境を与えるだけで、子供達が自発的に学び、そして互いに教えあうようになる事を発見した人物です。上の動画は、スガタ氏が自らの研究成果についてTEDで講演した時の動画です。講演の日本語訳はこちらで読む事ができます。自己組織化学習のポイントは子供達が互いに教えあい議論が発生する事です。スガタ氏の研究によると、自己組織化学習で学んだグループは知識の定着が高くなるそうです。講演で印象的な言葉の一つは、「(知識は)すぐに古くなる、知る事よりも見つけ出す事が大事」というものです。個人が持つ情報の量の重要性が薄れた現代において、この言葉はその通りであると思えます。スガタ氏が提案するこれからの学習の形の一つの例は、試験にスマホを持ち込ませ、必要な情報を自ら見つけ出し解答させるというものです。さらにこれに伴って、試験内容から学習カリキュラムまで、作り変える必要があると提案しています。